PSA高値(前立腺癌)
PSAとは・・・
PSAとは「前立腺特異抗原」のことで、前立腺がんの診断に使用するマーカーのことです。住民検診や人間ドックで異常値を指摘されることが多いと思います。PSAの正常値は4.0ng/mlとされており、その数値より高い場合、前立腺がんの疑いがあるとされています。ただ、正常値を超えているからと言ってすべての方が前立腺がんを患っているわけではなく、前立腺肥大症や前立腺炎(尿路感染症の一つ)などの炎症でもPSAの値は上昇します。
PSA高値を指摘された方へ
では、「PSAが高いです」と言われた場合、どうしたらいいのでしょう。先ほど述べたようにPSAの値が高くなる原因はいくつかありますが、やはり前立腺がんの存在が一番心配になると思います。その値が高くなるにつれて、前立腺がんが発見される可能性は高くなり、数値が10 ng/ml以上の場合、前立腺がんの可能性は60%を超えてきます。ただし、以前の値との比較・前立腺の大きさ・年齢などでその値を十分に評価する必要があります。泌尿器科を受診して、相談していただくのがいいと思います。
検査
まずは尿検査・問診のあとに診察をします。その過程で、直腸診(お尻から指を入れて前立腺の触診)やエコー(超音波検査)を行うこともあります。以前にもPSAの値を測定されている場合は、その数値の経過状況であったり、尿路感染症の合併が疑われる場合などでは、改めてPSAの値を測定し直した上で、経過観察で済むことがあります。問診や診察の結果、より詳しい検査が必要と判断した場合、前立腺生検が必要となります。
前立腺生検
当院では日帰り生検を行っています。直腸からエコーを挿入し、前立腺を確認しながら会陰部より針を刺して前立腺組織を採取します。施設によっては直腸内から針を刺して前立腺組織を採取しますが、当院ではより感染のリスクの低い経会陰式生検(陰嚢と肛門の間の部分から針を刺します)を行っています。穿刺の痛みがあるため、低用量の腰椎麻酔にて行います。ですから、患者さんはほとんど痛みはなく検査を行えますが、しばらく下肢に力が入らない(立位・歩行困難)ため麻酔の効果が切れるまでクリニック内で休んでからお帰りいただきます。その際に安全のため(車の運転ができません)、どなたか付き添いの方とのご帰宅をお願いしています。お迎えの方がいらっしゃらない場合、局所麻酔での検査となります。
より詳しい内容は「前立腺生検について」をご参照ください。
より詳しい内容は「前立腺生検について」をご参照ください。
以前に前立腺生検をされて「がんではない」と診断されたのにPSAが高い場合
「前立腺生検」をされて前立腺がんが検出される確率は、PSAの値によって変化します。
PSA値が4~10ng/mlの場合は30~40%、PSA値が10ng/ml以上の場合は約60%と言われています。検出されなかった方の中には、前立腺がんが隠れているのに、1回の「前立腺生検」でがんを見つけられなかった可能性があります。これはがんの病巣がわずかで、細い針で数か所穿刺しただけでは見つけられなかったということです。このような場合、通常PSAは徐々に上昇してきます。そのため「前立腺生検」で前立腺がんが検出されなくても3か月~半年毎にPSAを測定し経過を見る必要があります。経時的にPSAの値が上昇してくる場合、2回目あるいは3回目の「前立腺生検」が必要となり、その時にがんが見つかる場合も少なくありません。
PSA値が4~10ng/mlの場合は30~40%、PSA値が10ng/ml以上の場合は約60%と言われています。検出されなかった方の中には、前立腺がんが隠れているのに、1回の「前立腺生検」でがんを見つけられなかった可能性があります。これはがんの病巣がわずかで、細い針で数か所穿刺しただけでは見つけられなかったということです。このような場合、通常PSAは徐々に上昇してきます。そのため「前立腺生検」で前立腺がんが検出されなくても3か月~半年毎にPSAを測定し経過を見る必要があります。経時的にPSAの値が上昇してくる場合、2回目あるいは3回目の「前立腺生検」が必要となり、その時にがんが見つかる場合も少なくありません。